9月30日、後藤寺バスセンター最後の日
炭都田川の盛衰を見守ってきた後藤寺バスセンター。2016年の9月末をもって、還暦を前に57年間の生涯に幕を閉じました。開業時は「博多交通センターに次ぐ規模」「九州でも珍しい豪華なもの」といわれ、地元の有名士300人を招いて盛大に開所式が行われたのも今は昔、当時の面影だけが残っていました。
21:11 後藤寺バスセンターに到着、そこには着々と撤退準備が進むバスセンターがあった
後藤寺バスセンターに着くと、市内路線はほぼ全て出発済みで残り便も少ないからかはがせるものは全てはがされている最中でした。巧みな作業で次々とはがされていく案内表示。
重くてなかなか取り外せないと苦労されていた行先一覧。バスセンターが長年積み上げてきた重さなのかもしれません。
21:58 後藤寺発天神行き、最後のバスが出発する
田川地区の主力路線である特急バスの天神行き最終便が出発します。明日からは伊田方面への延伸か西鉄後藤寺営業所までの運行です。バスセンターの運用前から運行されている福岡方面の特急、急行は後藤寺バスセンターの良きパートナーだったことでしょう。後藤寺バスセンター開業時には後藤寺~博多間無停車の正真正銘のノンストップ便の運行が開始されたようです。
偶然にも筑豊でも古株のS型と新顔のエースが並びました。まるであとは任せたぞといわんばかりにS型はバスセンターを後にしたのでした。
22:16 やってきた最後の出発便、地元の人を乗せていつも通り出発していった
天神からやってきた伊田方面へのバス、これが最後の出発便です。これでもう二度とバスセンターからバスに乗ることはできません。
23:48 ついに電気が消される
待合スペースの撤去も一通り終わり、ついに電気も消された後藤寺バスセンター。
暗闇に包まれたバスセンター、なにかぐっとくるものがあります。
24:58 ついに金網が、終焉のときは刻一刻と違づいていく
使われなくなった待合スペースから順番に金網が張られていきます。この間にも到着便は続々とやってきていて最終便まであと残すところあと1本までなってしまいました。
25:29 やってきた最後のバスはいつも通り、惜しむ間もなくあっという間にバスセンターを去っていった
やってきた正真正銘最後のバス。
待合スペース側は完全に金網が張られてしまいました。金網越しにバスが止まるのもこの一瞬だけのある意味レアな光景です。
お客さんを降ろすとあっという間に回送していきました。
あとは金網を張るだけです。着々と封鎖されていくバスセンター。58年間休むことなく続いてきた日常に終止符が打たれました。
田川の盛衰を静かに見守ってきた後藤寺バスセンター。
おつかれさまでした。